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歌人としてご活躍中の原谷洋美さんが、
新たに歌集「一陽来復」を出版されました。

 「昼の月」は3年前の思いもかけない乳癌の告知、闘病体験を通して、真直ぐに病を見つめ、自分と向き合い、時には不安を抱きながらも日々の揺れる心を、繊細に鋭く歌に表現されていて読む者の心に響きます。
また「青空へ」は東京にありながら端正な故郷丹波への思い、東京という大都会を独自の観察眼と感性でとらえた瑞々しい句たちが見事です。

 限りなくさうかも知れぬとの検査待つ石榴割られむ斧の一振り
 子ではなくされど子どもでありたき日孟宗竹の根二節高し
 滞ることなく流れゆく人の凄み 朝の滝壺の渦
 青空に青空重なりたっぷりと水を湛えた朝の海なり

「一陽来復」から4首紹介します」

原谷洋美、
山南町出身 柏原高校第20期生
短歌は、由良琢郎先生に師事、
短歌結社「礫」に所属、礫賞受賞
他に「馬を遣わす」を出版
「一陽来復」:短歌研究社 発行 ¥2000。